日本産婦人科乳腺医学会認定医取得体験談
<当会入会のきっかけ>
私は総合病院に勤務しているため、産科も婦人科も従事しています。
そのため、
- 周産期における乳房トラブル
- 婦人科疾患と乳腺疾患との関連
- 乳腺疾患の既往のあるかたに対する生殖医療の提供
など、産婦人科医として臨床の場で乳腺疾患に関する知識を得ておかなければならないことがあり
臨床の場で通用するようにしておきたいと思い当会への入会を決めました。
<認定医取得のきっかけ>
かつて健診業務をおこなっていたため、「検診マンモグラフィ読影認定医師」や「乳がん検診超音波検査判定医師」を取得していました。
普段の外来診療においても、患者さんからふと乳腺疾患について質問を受けることもよくあります。私たち産婦人科医は外科医のように乳腺疾患にのある方へ直接的医療をおこなうことはあまりありませんが、疾患の知識や情報を得ておかなければいけないと思われる場面にはよく遭遇します。乳房関係がきたらすぐ外科へという考えではなく、少しはかかわりたいと思っていました。
画像的な資格も重要ですが、さらに専門的な乳腺疾患の認定医としての資格をもつことで、ほかの医療従事者や患者さんへ自信をもって医療を提供できるようにしたいと思い、当資格の取得を考えました。
<試験対策>
身近に経験談を聞くことがなかったため、自己流でありますが下記のように勉強しました。
- 「病気がみえるシリーズ」など医師国家試験対策用テキスト
- マンモグラフィ読影講習会や乳腺超音波講習会時に使用したテキスト
- 日本女性医学学会発行ホルモン補充療法ガイドライン
- 日本がん・生殖医療学会のHP
- 日本乳癌学会発行乳癌診療ガイドライン
に目を通しました。基本的な教科書的知識と、乳癌の疫学、治療方針、治療内容を中心に勉強しました。
<試験の感想>
試験当日、事前講義があると聞いていましたので、それで整理しようと思っていました。
講義は疫学、疾患の基礎、治療方針、治療内容といった授業でした。もちろん試験に向けて
必要不可欠ではありますが、今後の日常診療にも大いに役立つ内容でした。
講師は産婦人科医が中心でしたが、同じ産婦人科医とは思えないほど、まるで自分が外科医になった気分にさせられるほど、短時間でしたが非常に内容の濃い講義を受けることができました。
試験としては筆記試験は事前講義をもとに作られていましたがやや細かく難しい印象でした。筆記試験後、続けて面接試験がありました。面接は受験者1人:試験官2人でした。エピソードが紹介されたあと、画像所見の読影、疾患名、治療方針を答える内容であり、ひととおり終了した後試験官から解答解説を受けました。約20分ほどであったかと思います。
<資格を生かす、今後について>
前述のように、私自身日常診療のなかで頻繁に乳腺疾患についての質問を受けたり、婦人科疾患との関連で考察を要することがあります。認定医を取得することで、外科医や患者さんからの信頼も受けられると思いますし、何より当学会で得た知識を生かすことで自信をもって診療ができると思います。
乳腺疾患は女性がほとんどであるため、産婦人科領域では切り離せない疾患です。産婦人科医であれば誰しも診療の中で乳腺疾患に関係した経験は1度はあると思います。
乳房については何もせずすぐに外科へではなく、産婦人科医が乳房という視点を少しもつだけでも何かひとつでもアドバイスができたり、婦人科疾患との関係性を説明できたりし、患者さんの安心感、疾患の早期発見、外科医とのコミニュケーションの点で重要となると思います。
今回試験日に現地に行ってみたら、受講者・受験者が非常に少なかったことに驚きました。
産婦人科医のみなさん、乳房という視点をひとつ加えてみませんか!!